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2022/12/15

修了生の成田夏美さんが第42回日本看護科学学会学術集会にて口頭発表

| by 事務局(竹田)
本学修士課程修了生(2022年3月修了)の成田夏美さんが日本看護科学学会の第42回日本看護科学学会学術集会にて口頭発表を行いました。

タイトル: 透析を受けている患者にとっての看護師の寄り添いとその意味
概要:
発表者 成田夏美
共同研究者 松枝美智子先生、児玉ゆう子先生

【目的】
 日本は世界で最も人工透析治療(以下、透析)を受けている患者が多い国である。透析が死ぬまで続く患者の苦悩は永続的で、合併症のリスクの観点からもケアが重要である。臨床実践の中で透析を受ける患者と看護師が考える「寄り添い」には相違があると感じた経験をした。透析を受ける患者の視点から看護師の寄り添いを明らかにした研究は、国内外共に皆無であった。
 本研究の目的は、透析を受ける患者の視点から看護師の寄り添いを明らかにすることを通して、看護の在り方を考察することである。
【方法】
 質的記述的研究デザイン。透析目的の入院経験をもつ外来透析中のB氏に、先行研究から作成したインタビューガイドを用いた半構造化面接を行った。逐語録作成後、経験の意味に注目しながらテーマを抽出し、文脈から切り離さずに結果を記述した。
【倫理的配慮】
 A病院の研究倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】
 3名が研究に協力した。今回は紙幅の関係でB氏の分析結果を示す。インタビューは1時間28分。30代で透析を導入したB氏にとっての〖病いの意味〗は、【将来を約束されていたが病気でリタイア】、【透析していても健康で、不健康は周期的にやってくる感覚】であり、〖透析をしながら生きる意味〗は【醜い争いがなく家族がみんな仲良しだから透析してても幸せ】であった。B氏の〖私にとっての看護師の寄り添い〗は、【身体の音を聴き触れてくれた安心感】、【思いやりとは察する優しさ】、【教えられなくても状況に応じて振る舞いを変える温かさ】、【透析の機械から解放され自由になりたい気持ちを察して対応してくれた嬉しさ】、【透析後のトラブルにチームで素早く対応してくれた】、【困っていることを助けてくれる安心感】、【家族が一番大切という気持ちを看護師が尊重してくれた】、【一番大切な家族のことも考えてくれている】であった。B氏の〖私にとっての看護師の寄り添いの意味〗は、【穏やかに入院生活を思い出せているから看護師の優しさを感じた経験全てに意味がある】、【家族がいて生きていられることをもう一度考えさせてくれたという意味】であった。
【考察・結論】
 研究協力者は、透析をしていても健康を知覚し、自身が最も大切にしている家族が仲睦まじく生活できていることに幸せを感じていた。また、看護師がチームとして、自身の大切にしている家族を大切に考えてくれていることや、言葉にしなくても看護師が察してケアをしてくれることに寄り添いを感じていた。患者にとっての〖病いの意味〗や〖透析をしながら生きる意味〗を理解することを基盤に、患者の価値観を尊重し、患者の身体に関心を持ち、辛さを察しながら個別性の高いチーム実践を行う重要性が示唆された。

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