2025.03.19
修士課程修了生の葉狩由香子さんが「日本医療教授システム学会第17回学術大会優秀発表賞」を受賞しました
修士課程修了生の葉狩由香子さんが日本医療教授システム学会の第17回日本医療教授システム学会総会・学術集会にてポスター発表を行い、「日本医療教授システム学会第17回学術大会優秀発表賞」を受賞しました。
タイトル: 分娩期の指導場面における新人助産師に活用した教材の教育効果の検証
概要:
【背景】助産師は分娩の経過を観察・判断し、分娩を助ける職種である。常に最悪の状態とその対処法を想定しながら観察・判断し対処する能力が求められている助産師の育成において、分娩の予測と推論する能力を向上させることが必要であると考えられる。昨年、助産師が臨床で行っている分娩の予測と推論の思考プロセスを可視化した教材(分娩経過の全体像、分娩期臨床推論)を開発した。【目的】分娩期の指導場面に指導助産師が新人助産師に活用した本教材の教育効果について、指導助産師と新人助産師の視点から比較検討することである。【方法】本教材を使用した指導助産師3名と新人助産師3名を対象に、質問紙調査と半構成的面接法を行った。インタビュー内容は質的内容分析を行った。上智大学「人を対象とする研究」に関する倫理員会(2024-071)の承認を受けて実施した。【結果】本教材の教育効果としては、指導助産師からは「新人助産師と同じ認識を確信」「適宜な判断の共有」「新人助産師の推論を可視化」の3つのカテゴリー、新人助産師からは「分娩進行を予測」「指導者と認識を共有」「異常のリスクの思考を整理」「自己の学びを促す」の4つカテゴリーが生成された。【考察】本教材を使用することによって、指導助産師と新人助産師がその場で状況判断を共有し、分娩を予測することを助けるものであったと考えられる。また常に異常のリスクを念頭に置きながら産婦を見ること、推論することを意識づけることに役立つ教材となることが示唆された。【結論】本教材は、分娩期の指導場面において新人助産師教育に効果的な教材であることを確認した。