2025.08.13
松山綾子さん(専門職学位課程修了生)が「OMEP(世界幼児教育・保育機構)2025の77th World Assembly and Conference」にて口頭発表を行いました。
【タイトル】Why do children like ghosts? A simula[on of the terrifying experience based on “Don’t Want to Go To Bed” by Keiko Sena
(邦題:なぜ子どもはお化けが好きなのか? ~恐怖体験とせなけいこの「ねないこだれだ」をもとに~)
【概要】
恐怖はかつて、生命の危機回避や生存の危険予測・判断する「認知システム」の一部として考えられていた(戸田1992)。しかし現代はホラー映画を見たり、怪談を聞いたりといった行動を通じて、人間が積極的に恐怖を楽しんでいる側面についても報告されている。
プリンツは「恐怖は基本感情ではなく「パニックと不安」を含む高次の感情カテゴリーである」と述べている(2004)。また、戸山田は恐怖から生じる感覚や感情こそが快感を与えるのだと説明する(2016年)。戸山田は、また恐怖がもたらす快感について「情動感覚そのものが一般的であるため、恐怖であると同時に快い興奮である可能性がある」とも述べている。このことから、「恐怖は本質的に快楽的である
」とも考えることができるため、現代における恐怖体験は冒険心や好奇心を刺激の一種であると考えられる。
このように恐怖は生存本能も刺激する一方、せなはおばけが登場する絵本「ねないこだれだ」について「おばけは怖いと同時に子どもたちに大変大人気がある」と述べている。以上のことから「ねないこだれだ」がベストセラーとなっているのは、恐怖の疑似体験が関与していると考えられる。
OMEP(世界幼児教育・保育機構)2025の77th World Assembly and Conferenceについては、こちらよりご覧ください。
当日プログラムについてはこちらよりご覧ください。(p85に松山綾子さんの記載があります。)