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2025.11.02

修士課程 就職 / 実績 / 活躍

本学修士課程修了生の江川祥平さんが全国自治体病院学会の第63回全国自治体病院学会 in 群馬にてポスター発表を行いました。(1/2)

【タイトル】
救急外来におけるソーシャルワーク実践としてのインテークの実施~入院0日から始まる退院支援~

【概要】【目的】
本研究は、社会福祉士の資格を有する看護師が救急外来で実施したソーシャルワーク実践事例を分析することにより、A病院を含む地方都市病院における退院支援のあり方を考察するものである。あわせて、地域医療の中で看護師が専門職として果たし得る新たな役割を探る手がかりを示すことを目的とする。
【方法】
本研究は、事例を用いたケーススタディーとして実施した。A市立病院倫理審査委員会の承認(R07-2)を得た上で、研究協力候補者の家族に対して研究趣意書および同意書を郵送し、署名後に返送していただいた。署名の確認後に研究を開始した。収集したデータは、パスコード設定済みの端末にて処理し、個人情報が特定されないよう暗号化を行った。データは、患者カルテおよび救急搬送引継書を用いて収集した。結果:救急外来においてソーシャルワークとしてのインテークを実施したことにより、患者家族が抱える問題点を早期に明確化し、関係機関や関係部署への円滑な橋渡しが可能となった。また、A病院の退院支援部門である地域連携室による介入も、救急搬送の翌日から開始され、連携体制が機能した。さらに、インテークを通じて、患者本人のみならず、支援者である家族の不安にもアプローチし、ケアを実践することができた。これにより、両事例ともに先行研究で示される在院日数よりもはるかに短期間での退院が実現した。一方で、救急外来が稼働する夜間・休日・祝日においては、常に社会福祉士が配置されているわけではない。そのため、入院当日からの退院支援が必ずしも実施できるわけではないという課題がある。このことから、看護師の役割がより重要となり、社会福祉に関する知識の習得が看護師にも求められる実態が明らかとなった。
【結論】
本研究により、事例を通じて救急外来におけるソーシャルワーク実践の意義と有効性を検証することができた。しかし、地方都市病院の救急外来でソーシャルワークを実践するには、さまざまな課題が存在する。今後は、看護師教育の内容やカリキュラムの見直し・充実、ならびに組織としての支援体制の強化が重要となる。また、教育の在り方や救急外来におけるソーシャルワーク実践のモデル構築についても、さらなる検証が求められる。

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