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私にとっては未知であった「研究する」ということについて学びました

堀尾育子 さん

2023年3月教育実践研究科修了生/医療・福祉従事者/東京都

インタビュー13 – 私にとっては未知であった「研究する」ということについて学びました – 堀尾育子さん

私は「療育」の仕事に就いています。出会うお子さんとそのご家族にとって不利益がないように、よりよい療育を提供していくためには、自分自身が学び続けなければいけないと考え、本を読んだり、セミナーに参加したり、星槎大学で授業を履修したりと自分なりに学びを続けてきました。しかし、ある時から、自分の学び方は正しいのだろうかと考えるようになりました。インプットしたことが、アウトプットする際に我流になっているのではないかと不安に思うことがありました。その不安から、自分の仕事の基礎となっている行動分析学、応用行動分析学はもちろん、子ども(人間)の発達、発達障害についてもさらに正しく深く学びたいと考えるようになり、大学院へ進みたいと考えるようになりました。学びを仕事に活かし、仕事での課題に向き合える大学院を探していくうちに、実践と理論を往還しながら学ぶことのできる星槎大学大学院教育実践研究科にたどり着きました。

入学したばかりの頃は、毎週授業があるとは言ってもコロナ禍で全面オンラインでの授業でしたので、どれほどのことが学べるのか不安がありました。しかし、教育実践研究科の授業は、グループディスカッションのある授業がほとんどであり、先生方から学ぶだけでなく、全国から授業を受けている様々な背景をもつ仲間と学び合う時間が、とても有意義でした。私もですが、学生は、社会人として仕事をしながら、また子育てをしながら、時間のやりくりが大変な中、それでも学びたいと思って入学してきた人たちであるので、学ぶことにも熱心で、授業内での意見の交換では、様々な視点をもつことができました。

私は教育学研究科の授業も興味のあるものは履修し、入学前から自分がさらに学びを深めたいと考えていた「行動分析学」「応用行動分析学」「ファシリテーション」はもちろん、他の心理学や教育学についても学びました。そして、何よりそこまでの私にとっては未知であった「研究する」ということについて、学びました。複数の先生が研究について、オムニバス形式で授業をしてくださり、そこで「研究する」ということの概要的なことを学びました。しかしそれだけではまだまだ入口にやっと立てたくらいの状況で、そこからは指導教員のもと、自分の課題を具体化し、どのような方向で研究していくのかということを、実践しながら学んでいきました。研究倫理審査というものも初めて経験しました。

私は小さなお子さんを育てている保護者が、子育てでの困りごとを自分自身で解決していかれるような考え方を伝えたいと考えていました。そこで「子育て応援プログラム」を開発し、ワークショップ形式で実践し、事前事後アンケート、事後インタビューから有効性と今後の課題をまとめるという実践研究をしました。プログラム作成には、授業づくりの授業がとても役に立ちましたし、他にも大学院での学びが自分の研究につながっていく感覚を多く経験しました。


修了後、活躍の幅が広がっています

修了して私の学びが終わるわけではないので、ともにこれからも学び続けていく仲間ができたこと、そして指導教員との出会いも私にとってはとてもありがたく、修了しても折々に相談にのってもらっています。修了した年には初めて学会でのポスター発表もしました。また大学院の修了生をベースに立ち上げられた「学びの応援隊」という今では学びたい人であれば誰でもウェルカムな、ともに学び合うコミュニティも、私の学び続ける場となっています。

そして研究に協力してくださった保護者のみなさんから、もっとこのプログラムの考え方を多くの保護者、そして保育者たちに届けてほしいとご希望をいただいたことで、昨年度、賛同してくれた仲間とともに「幼児ラボ」というものを立ち上げました。今年度は保育園に保護者向け研修、職員向け研修など、ボランティアで行きはじめました。私の研究に興味をもってくださった行政からの講師依頼もきているので、私自身学び続けながら、より多くの方の子育て応援をしていきたいと思っております。