スポーツを支える看護の活動を目指して
式澤明子 さん
2024年3月教育学研究科修士課程修了生/大学教員/千葉県
星槎大学大学院への入学前は、看護大学の非常勤実習助手として働いていました。2020年のコロナ禍には通常の病院実習を行うことができず、担当する成人看護学急性期領域ではブレンディッドラーニング形式で実習が行われました。ブレンディッドラーニング形式とは、eラーニング、ロールプレイ、シミュレーションなどを組み合わせたものであり、これにより臨地に行けない看護学生の教育の質を維持することができていることに感動しました。動画やワークシートを活用することで、学生はゆっくりと自分のペースで学ぶことができます。そして足りない部分をロールプレイやシミュレーションで補っていました。私は非常勤ではありましたが、学生の実習グループを担当させていただき、プログラムに沿って実習を進めることの楽しさと難しさを実感しました。このブレンディッドラーニングに携わったことが「教育」について、もっと深く学びたいと思うようになったきっかけです。
大学院在学中は、スポーツと看護をテーマに研究を行いました。学びたかった「教育」とは一見異なったテーマにも捉えられると思います。しかし、スポーツにおける救護体制は充分に整備されているとは言えない状況であり、スポーツ救護・看護の知識や技術を持った看護師の育成が課題であると考えました。現在スポーツは約200種類あると言われており、競技により必要とされる救護の知識や技術にも特徴があると考えます。そこで、在学中はソフトボール競技を対象とした参与観察を行い、修士論文を執筆しました。今回の参与観察がソフトボール競技における救護・看護体制の拡充に少しでも寄与できればと思っております。
印象に残っている科目は、看護教育特論です。自分が理想とする看護学校の教育課程やカリキュラム、科目のシラバスや指導案を作成し、スクーリングでは模擬授業を行うという科目でした。実習指導の経験しかなかった私には、とても大変な課題でしたが、模擬授業を終え指導案の修正まで行った時には大きな達成感がありました。
同期の仲間たちに支えられました
そして、2年間の在学中の大きな支えは、メールやzoomにて的確なご指導をしてくださる指導教員の先生方と、同期の仲間たちでした。研究が思ったように進まず、孤独や焦りを感じることもありましたが、LINEで繋がった同期はいつでも相談ができる仲間でした。発表会の前にはzoomで練習会も行っておりましたので、とても心強かったです。修了した今でも、時々連絡を取り合い情報交換をしています。
大学院を修了し、現在は大学の専任教員として働いています。看護教育特論でのシラバス作成課題や模擬授業の経験を活かし、学生さんが興味を持って学ぶことのできる授業を目指して日々奮闘中です。担当するゼミナールでは、スポーツと看護に関心のある1〜4年生が集まり、スポーツ現場での看護師の活動について検討しています。看護学生がスポーツ現場での看護の必要性を感じ、応急処置の実際などを積極的に学ぼうとする姿は、とても頼もしいです。大学院での研究経験を活かし、スポーツの場での看護の活躍を目指していきたいと思います。