根拠に基づいて実践する大切さを学びました


葛西 一馬さん(教育学研究科修了生/小学校教員/三重県)


 特別支援学校で知的障害教育に携わる中で、目の前の子どもたちに合う教材づくりや楽しい活動を設定することを通じて、子どもたちが目標に近づいていくために必要な支援・指導をするというのは、当たり前のように行っていました。そのような中でアクティブラーニングという言葉が出てきて、「今やっているのになぜまたこのような言葉が出てきたのだろう」、「一体この言葉の持つ意味は何なのだろう」、「今までとの違いは何なのだろう」といった疑問が出てきました。そのあたりをもう一度きちんと勉強して整理したいと思い、大学院へ入学しました。


 実際に入学して修士論文を完成させて、アクティブラーニングという言葉はやはり今までやってきたことだったいうことが明確になりました。例えば、子どもたちの実態に合わせて教員が教材教具や課題設定を工夫するといった、子どもたちを主体に考えるところは今までと全く変わらない部分です。また、この学び方が特別支援学校だけではなく、他の学校種にもっともっと影響を与えられるということは、自分の中にすんなり落ちました。教員が前に立つのではなく、子どもたちが自分たちで学ぶ、自分たちで話し合う、それをさらに次の課題につなげる。そういった体験や教科横断を重視した学習機会を、日常の学習の中に少しずつ取り入れることが重要で、それが学校種にかかわらずすべての子どもたちにとってプラスになると考えています。

 一方で、新たな課題も発見しました。授業づくりにおいて主体的・対話的で深いという言葉を体現するために、教員がどういった意識をもって指導されているのかを明らかにした上で、教員間での情報共有や研修の充実を図っていくことが求められています。さらに、子どもたちの姿を見て、アクティブラーニングの取り組み自体も振り返っていかねばなりません。2年間で分かったことに加えて、そこから派生した課題や疑問も得られたので、まだまだ頑張らなければというところです。


 また、大学院での学びを通じて、先行研究から情報収集し、根拠に基づいて実践する大切さを学びました。日々子どもたちと関わる中で、これはどうしたらいいかなという課題がいくつも見つかるので、まずグーグルスカラーで調べてみようと。入学前は、インターネットの情報は不確実かなと思っていたのですが、日々新しくなる文献に当たれることを知りました。自分の課題や今困っていることを解決に近づけるために、ここを調べたらありそうだという感覚が得られたと思います。そして文献からわかったことを活かすために、日々実践を省察できるようになりました。結果として、例えば、以前よりもスムーズに動けるようになったり、なぞりがきが少し上手になったり、そういった変化が見られるようになっています。こうして根拠に基づいて実践を行うことで、自分の支援に対して、周りの先生方の理解も得られやすくなると考えています。こういう根拠があるから続けていってくださいと伝えることもできるので、持続可能な手立てにつながると思います。

 日々疑問に思っていることは大学院の2年間で解決できる部分もあります。一方で、新たな課題や疑問も派生して出てきます。これは大学院で学ぶことの醍醐味だと考えています。また、学生同士や先生とのつながりもたくさんできて、それらは修了後も活かすことができます。学会でゼミの大先輩と実際にお会いできたり、研究指導担当の先生の師匠にあたる先生とお話しできたり。そういったつながりが全国的に一気に広がるのは本当に嬉しいことです。